インド

インドは12億1019万人おり、日本の10倍、いずれ中国を追い抜いて世界一の人口になるという。近年になって経済成長が著しくなってきた。これまで近隣国パキスタンと紛争を繰り返し、また非同盟を貫いてきたため、かえって国際社会における安定が得られなかったのではないかと私は考える。

中国がこれからさらに経済的・政治的に台頭する中で東南アジア諸国の連携、特にその中でも大国である日本とインドとのより強い連携は、地政学上も、また両国がさらに発展するためにも、必要不可欠なことだとインドに来て改めて感じている。

強いインドこそが日本にとって最善の利益であり、強い日本はインドにとって最善の利益となる。日本にはそもそも戦略論そのものが無きに等しいが、特に戦後日本は国家としての戦略を強い意志として持つことをして来なかった。しかし、これから日本が生き残る為に、それは現状のようなただ座して生きる屍(しかばね)のように国家の衰退を放置する政策ではなく、積極的な国家戦略を持たなければならない。

櫻井よしこさんたちの国家基本問題研究所は、中国という国がどのような戦略を持って、日本やインドと対処し、また今後の戦略をどのように描いているのか、体系的歴史観から分断している。孫子の兵法の最上戦略は「戦わずして勝つ」だが、それを中国が現在、軍事上また経済上どのように展開しているか、鋭く説明している。

安倍元総理はそのために3つの提案を講演でしていた。

1つは、インドと日本が中心となって、開かれてリベラルな、自由で活力あるアジアコミュニティーを作っていくこと。

2つには、海上交通路、シーレーンを生かしながら、お互いの海軍力を強化していくこと。

3つには、インドにとって戦略的ポジションを拡大していくために、米国との関係をより深めるべきで、そのためにも日印関係をまずより強化しましょう。

ということだった。日本とインドがそれぞれにより関係を深めることを戦略として意識した時、両国の発展は約束されるだろうと考える。

8:30~10:30 ブラーマ・チェラニー氏(インドのシンクタンクの安全保障の教授)との朝食会

12:00~12:50 ICWA(インド世界問題評議会)にて安倍晋三元総理の講演と質疑

13:00~14:50 マンモハン・シン首相らとの昼食会(首相府)

15:00~16:50 ICWAでラウンド・テーブルセミナー

18:00~19:00 アドバニBJP(インド人民党)議会団長との会談(アドバニ氏公邸)

19:30~22:00 斉木大使主催夕食会(大使公邸)

重要会議が朝からビッシリ入った一日だった。シン首相との昼食会では閣僚も10人近く出席していたので驚いた。安倍総理の現職の時のようだ。それだけ安倍氏や日本に対する期待感が大きいのだろう。

話題の中心は、インドでも18日にシッキム州で地震があったが、東日本大震災ではインドからも、支援チームの派遣や、大量の毛布、ミネラルウォーター、ビスケットを供与してくれたことのお礼。シン首相からは原子力発電の今後の取り組みについての質問。

また日印関係は世界で最も可能性を秘めた二国間関係になりうると、ここでも両国で発言があった。来年は日印国交樹立60周年であり、さらに飛躍的に発展が期待できるところだ。

インドでは日本の原子力発電技術について強い関心を持っていた。2030年までに原子力発電容量を現在の13倍までにする目標がある。福島の原発はM9の地震には対応できたが、津波には対応できなかった。しかしこれは土木対策で克服できる。また福島原発は旧式であり、現在は新式に移行していること等の説明が安倍氏からあった。

インドの日本に対する期待度が高いのに驚く。対日世論調査で、日本はどのような国だと思うか?の上位3つが、①先進技術を有する国、②経済力のある国、③平和を愛する国とあり、日本はインドにとって最重要パートナーの第3位14%に入っている。米国が1位で48%、2位がロシアの30%、中国は3%、かつての宗主国イギリスはわずか2%でしかない。貿易高はそれぞれ2%程度の取引しかない両国だが、この数字だ。

現在の日印関係でも、66%のインド人が非常に良好か良好だと答える。日本企業のインド進出も70%が歓迎。日本語の勉強も、是非勉強したいと機会があれば是非勉強したいが両方で66%だ。

この思いは、日本に伝わっていない。なぜインドはこんなにも親日的なのだろうか?今から35年程前の学生時代を思い出す。インド・パキスタンに旅行で寄ったことがある。どこでも一般庶民が「日本によって自分達は独立できた。ありがとう。天皇(ヒロヒト)はすばらしい人だ。元気か?」と声をかけてきた。

戦後の日本の自虐的歴史観と違って、インドや東南アジアの国々では事実として歴史を評価しているのだ。日本がアジアの開放を結果的に先の大戦で果したことを、今でも感謝している人々が東南アジアにはいる。

8月6日と8月9日の広島・長崎原爆の日、インドの国会では今年も記念黙祷があったという。わが国の国会でも行っていないことを、戦後66年たっても行っている。

中国の覇権主義が南シナ海や東シナ海で顕著になりつつある中で、これから日本とインドの経済戦略だけでなく、安全保障も含めた政治的パートナーシップをさらに強化していくことが必要だと改めて考えた。

9月19日~9月24日までインドに行く。安倍晋三、衛藤晟一、山谷えり子、加藤勝信氏ら自民党議員と民主党からは当初3~4名が出席予定だったが政府側に入ったりしたので結局1人。そして桜井よし子さんら国基研のメンバーの人達だ。

私も16日(金)にギリギリ自民党国対で海外出張の許可が出た。16日に4日間で閉じる国会が9月30日までの会期延長になった。野田総理の国連出席の日程のため予算委員会は26、27日となったため、9月20、21、22日の中で文科委員会を要求した。私は文科の筆頭理事なので民主党が受ければインド訪問は出来なかったが、予算委員会前の他の委員会の大臣所信と質疑に民主党が応じなかったのだ。このように国会議員の海外視察はなかなか日程調整が難しい。

さて今回は、インドのシン首相やチベット亡命政府の首相等、非公式ではあるが要人らとの会談が中心だ。今後日本との関係は非常に重要になってくる。中国が大国主義をとってくる中で、同じ価値観を持ち急激に経済発展をしている12億人も人口を持つインドは貿易相手国としてだけでなく、政治的戦略としても魅力的だ。

インドも東アジアとの関係を重視する「ルック・イースト政策」を推進しており、非常に親日的である。これまでの関係が薄かったのが不思議なくらいだ。

またニューデリーから飛んでダラムサラにチベットの亡命政府があるということでそこに首相を訪ねる。世界でこれからも人権がキーワードであり、もっとチベットのことに関心を持いたい。

アーカイブ;2003年7月から

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