ハーグ条約加盟に向け政府は今国会に法案を提出することになった。
ハーグ条約は、国際結婚が破局するなどして、一方の親が16歳未満の子を無断で国外に連れ出したなどの場合に、子を元の居住国に戻し、その国の裁判でどのように子の面倒を見るかを決めるように定めている。G8では日本だけが未加盟で、私も米国大使館や米国の国会議員、そして国内の親からも求められていた。
米国大使館には、100件近くの相談が来ているという。ほとんどが日本の女性が子供を連れて帰国した事例だ。日本の母親の心情としては、離婚した後、子供を連れて帰るのは当然で、しかもその後の話し合いのために米国に戻ると誘拐罪で逮捕されることもある。
しかし米国や他の国では日本の単独親権と異なり、共同親権となっているので、子と別れても片方の親は、子と面会する権利もあるし、また成人するまで養育する義務もあるのだ。
ハーグ条約加盟は与野党でそれぞれ賛否があるが、私は加盟するのは当然と考える。ただそのためには国内法の整備が必要になる。日本においても毎年20万組が離婚し、その内15万組以上には子供がいる。子供の立場に立って、法改正をするべきだ。
夫婦は別れれば赤の他人だが、親子は永遠に親子だ。親子の絆を大切にするために、一緒に住んでいない親であっても、子供ときちんと会える機会を法的に担保すべきだし、単独親権から共同親権に民法も改正すべきではないだろうか。
子供が成人するまでは、親として子供をしっかり守り育てるための法律改正が3.11以降だからこそ求められる。
ハーグ条約締結に向けて関係機関が動き出した。先日は外務省において第1回の「ハーグ条約の中央当局の在り方に関する懇談会」会合が開催された。
諸外国特に米国から子供と一緒に帰国してしまう日本人女性の問題が提起されていた。米国人と結婚したが破局し、子供と母国に戻ることは、日本においては常識的行動のようだが、米国においては認められない。それは子供の連れ去りであり、米国人の父親側(母親側もある)からすれば、子の奪取にあたる。
米国だけでなく国際的には、離婚後も子供との面会権や共同親権が認められている。国内外を問わず、子供と別れた親も子供と会える環境整備をすることが、子の福祉からも大切なことだと私も考える。
そのために日本政府も5月にハーグ条約(国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約)の締結に向けた準備を進めることを閣議了解した。
今後外務省や法務省は国内法の整備も含め、必要な権限や体制整備、諸外国の法制等との調整、子の所在特定の方法や問題点、個人情報保護との関係、任意の解決の促進等、あらゆる面での検討が急がれる。
単なる条約の締結だけではなく、国内世論をどう創っていくかが大切だ。離婚を法律で止めるわけにはいかないので、セーフティネットとして、子の福祉と幸福の立場から、子が成人するまでは、親は親の責務として物心供に愛情を注ぐ法整備を担保する時代に日本もなってきている。年間離婚件数は25万組あり、その内子供がいるのが6~7割あるからだ。
全国ネットワーク主催で中央大学キャンパスにおいて集会があった。毎年25万組の夫婦が離婚し、そのうち60%に未成年の子供がいる。そしてその65%は非親権者となった片方の親と面会が出来なくなっている。このようなことから、子供に会えなくなった親が子供との面会交流や共同養育を求めるために全国ネットワークの集会を開いた。
離婚を促進させるようなことはあってはならないが、夫婦は別れれば赤の他人だが、親子は永遠に血のつながった親子である。少なくとも子供が成人するまでは、別れた親であっても子どもを養育することを義務とするべきであるし、また親子面談を実現することが、子供の養育や教育の立場から私は必要なことだと考える。会の終わりに「離婚後の共同養育を求める」声明が発表されそれを受理した。
すでに4月には、法務委員会でこの問題を取り上げたが、これからも孤立化・孤独化する社会への対応策として、子どもの立場から親子の絆を深める法改正を求めていきたいと考えている。尚、このような観点から選択的夫婦別姓は親子別姓でもあり、この法律案についても付言した。
6月2日(水)衆議院第2議員会館で「共同親権と子どもの養育を考える勉強会」が『ハーグ条約と国家間の子の連れ去りについて』のテーマで開催された。下村博文代議士は「先進国で日本とロシアだけがハーグ条約に加盟しておらず、我が国がハーグ条約に入る為には様々な法整備が必要である。夫婦間の問題はあっても、親子の関係は一生切れない。子どもが成長するまで両親がフォローアップすることが大切であり、DVなどの一定の条件を除いて、基本的には会うことが出来るようにするべきである。我が国においてもハーグ条約の締結に向けてどの様な法整備か必要かを考えることが立法府としての役割であり、それに向けた条件整備をしたい。」と語った。

関連記事(毎日新聞 6月1日掲載より)
国際離婚:国際結婚破れ、日本に子供連れ帰り 欧米とトラブル168件
◇幼児誘拐容疑で指名手配も 背景にハーグ条約未締結
国際結婚した日本人が離婚後、子供を日本に連れ帰り、相手方とトラブルになるケースが急増している。米国、英国、カナダ、フランスの4カ国との間に限っても、現在把握しているだけでトラブルは168件に上り、214人の子供が紛争に巻き込まれていることが各国の大使館の調査で分かった。国際結婚を巡る紛争の解決ルールを定めた「ハーグ条約」を日本が締結していないことが原因だとして、4カ国はこのほど日本政府に早期締結を求める異例の合同記者会見を開いた。
4カ国の大使館によると、国際結婚の破綻(はたん)に伴うトラブルの報告件数は▽米国73件(子供104人)▽英国36件(同39人)▽カナダ33件(同39人)▽フランス26件(同32人)。この多くで解決の見通しが立っていないという。
米国大使館などによると、米国人の父親と日本人の母親が離婚し、母親が子供とともに帰国した後、連絡が取れなくなり、父親が子供と一回も会えない事例が報告されている。外国人の父親が日本の娘に手紙を書いても、すべて返送されてしまい、連絡がつかないという訴えもある。米国では、こうした事態は「子供を奪取する犯罪行為」として非難され、FBI(米連邦捜査局)が幼児誘拐の疑いで国際指名手配するケースもある。
4カ国が日本を問題視するのは、ハーグ条約を締結していないため、海外に住む親が子の居場所を捜してもらうなどの協力を日本政府から得られないためだ。日本から海外に子を連れて行かれた場合も、日本人の親は日本政府を通じ子の面会請求などができない。
4カ国の大使館公使らは5月21日、東京都港区の米国大使館で会見し、「子の福祉を最優先に考えれば、両方の親と接しながら成長していくべきだ。事態が一向に解決しないのは大きな問題」と、日本側の事態改善を訴えた。
しかし、現状のまま締結した場合、十分な自国民の保護ができるのかなどの理由から慎重論もある。外務省国際法課は「『民事不介入』が日本政府の立場。ただ、国際結婚と離婚は増えており、締結できるか検討中だ」としている。
厚生労働省の人口動態統計によると、一方が外国人の夫妻の離婚件数は07年で1万8220件(離婚総数の7・1%)。97年の9149件(同4・1%)から倍近くに増えた。
◇ハーグ条約
国際的な子の奪取の民事面に関する条約。1983年発効。離婚などから生じる子供の国境を越えた移動自体が子供の利益に反し、子供を養育する「監護権」の手続きは移動前の国で行われるべきだとの考えに基づいて定められた国際協力のルール。子を奪われた親が返還を申し立てた場合、相手方の国の政府は迅速に子の場所を発見し、子を元の国に返還する協力義務を負う。今年5月現在、米欧を中心に81カ国が加盟しているが、G8(主要8カ国)のうち日本とロシアは未締結。






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