5月21日にスタートした裁判員制度で、1日1万円を上限とした裁判員の日当について、引き上げを求める声が与野党から上がっている。裁判員の負担が重く、国民の参加意識も高まらず「見合う額を支払い、参加を促すべきだ」との考えだ。政府や最高裁は「報酬ではないので妥当な額」と応じない構えだが、裁判員経験者が増えれば見直し論議は高まりそうだ。【石川淳一、武本光政】
裁判員の日当は最高裁規則で定められ、給与減や一時保育料など裁判員になることで生じる損失補償の位置づけ。検察の不起訴処分の適否を審査する検察審査員の日当(上限8000円)との兼ね合いで決められた。
国会で引き上げを求める声が出始めたのは昨年8月。当時の衆院法務委員会メンバーが、法相に上限3万円への増額を求めた。委員長だった下村博文氏(自民)は「責任は重く、一緒に評議する裁判官の給与に近づけるのが妥当」と説明した。
自民党の司法制度調査会でも昨年12月、裁判員候補者の辞退希望が相次ぐ事態を懸念し「引き上げが参加の一つの動機付けになる」との声が上がった。調査会長の保岡興治前法相は「国会証人の日当の2万円程度が相当」と指摘。民主党も裁判員制度実施の検証プロジェクトチームが4月、法相への意見書で「早急に引き上げが必要」と提言している。
裁判員候補者になった東京都の40代男性会社員は「希望しないのにスケジュールを狂わされ、死刑を選択することもあるのだから1万円は安い。職業裁判官が高くて、いきなり呼ばれた裁判員が安いのも疑問」と話す。
制度が始まったばかりで、現時点では各党とも状況を見守る構え。政府の司法制度改革審議会の委員だった藤田耕三弁護士は「国民に負担をかけるのだから、きめ細かな配慮を検討すべきだ」と話している。
(6月2日 毎日新聞朝刊掲載)
来年5月に始まる裁判員制度をめぐり、衆院法務委員会の下村博文委員長と与野党の筆頭理事ら5人でつくる議員団は28日、市民の8割が制度の参加に消極的という現状を踏まえ、裁判員の日当について現行の上限1万円から3万円に引き上げるよう最高裁に求める提言を保岡法相に伝えた。野党を中心に、制度の延期を求める声が出ており、臨時国会で議論になりそうだ。
下村委員長は3万円の根拠について、「裁判員はプロの裁判官と同じ責任の重い仕事をする。裁判官の報酬を日割りにした金額に近い方がいい」と説明した。
現在の上限1万円という日当額は、同じく市民が務める検察審査員の日当が上限8千円とされていることなどとの比較で最高裁が規則で定めている。
このほか議員団は、1年間に全国で30万人近くになる予定の裁判員候補者を大幅に減らすことや、市民から辞退の希望があった場合にはより柔軟に認めることも提言。いずれも、国民の負担を軽くすることが狙いだという。
(8月29日 朝日新聞掲載記事)
下村博文代議士は、来年5月からいよいよ始まる裁判員制度をスムーズに導入するため、参考として衆議院法務委員会で海外視察を行いました。
韓国、イギリス、スウェーデン、フランスの各国に訪問した中で、国民負担をできるだけ軽減する観点から、また、裁判員制度をスムーズにわが国において定着させるために、小さく生んで大きく育てるという立場から、運用において、より創意工夫をするべきだと提言しました。
このような立場から以下のような提言をとりまとめ、関係機関に提出しました。
下村博文代議士の提言はこちらです。







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